ペット

置き去り犬

小さい頃からずっと動物がいる生活で、今も実家には猫がたくさんと犬が1匹だけいる。
その犬というのがレトリバーなんだけど、実はこれ捨て犬だった。
それも大きくなってから捨てられた。
親父の散歩コースにレトリバーを飼っている家(Aさんとしておこう)があり、そこの玄関先に置き去りにされていたらしい。
それも2匹。まったくヒドイことをする輩がいるもんだ。
まぁ、それでもレトリバーを飼っている家の前に置いていった辺りは、少しは良心が痛んだのだろうか?
(いずれにしても無責任であることには変わりないけど・・・)

実家で飼っていた犬が死んでしまって、しばらく犬がいない状態だったところに、この捨て犬事件発生。
親父は散歩の途中、必ずと言っていいほどレトリバーがいるAさんの家の前で足を止めていたので、Aさんとはすっかり顔見知り。
いつものように親父がその家の前に差し掛かると、犬が3匹いる。
「あれ?どうしたんですか?」と声を掛けると
「あ、こんにちは~。いや、よくわからないんですけどね、朝起きて外に出てみたら、うちの門の所につながれてたんですよ~。しかも2匹。置き去りにされちゃったみたいでねぇ。
これどう見ても成犬に近いよねぇ。いやぁ、どうしよう。うちはすでに1匹いるでしょう。流石に3匹はねぇ。あと1匹だったら何とかできないこともないんだけどねぇ・・・。どうにかならない??」
そして「かわいそうだねぇ」とつぶやき、散歩コースを逆行、つまり来た道を戻る親父。
【来た道を戻る=スタート地点(家)に戻る】ということ。
そして家に戻った親父はこう言った。
「お母さん、お母さん、あのさ、ちょっと来てくれる?」
「何よ?忙しいのに。」
「ま、いいから、いいから。」
「いいからって、何さ!!」
「おれ、いつも散歩してるの知ってるだろ。」
「知ってるわよ!!で、何?」
「それで、ほら、あそこの角を曲がった所にレトリバー飼ってるうちがあるって言ってたの覚えてる?Aさんって言うんだけどね。そのAさんのところのレトリバーなんだけどさ、見たことある?」
とか何とか言いながら、明らかにいつもの散歩より速いペースで歩いていく親父。
「レトリバーなら通りすがりに見たことくらいあるわよ!それが、どうしたのよ!忙しいのに。」と言いながら、引きずられていくお袋。
適当なことを言いながらお袋を目的地(Aさんの家)まで連れて行くことに成功した親父は、ついに最後の一言を発した。
「(捨てられていた犬を指差して)お母さん、これ。捨てられてたんだって・・・。
Aさんもあと1匹しか飼えないし・・・。かわいそうだよねぇ・・・。」
もうあとはなし崩し。
お袋も嫌いじゃないから、連れてこられて目の前に見せたれたら、ダメとは言えず・・・。
珍しく親父の作戦勝ち。
Ves040
今ではすっかり家族の一員。
ネコに犬とも思われず、平穏な毎日。。。
Ves041

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